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つづきです。順番は前後しますが、現地に着いた早朝、滝に行きました。写真は一日めの様子と、二日目の早朝に行ったときのものを織り交ぜてアップしてありますが、以下の手記は二日目の模様です。
昨晩はテントを張って、キャンプをしました。文字通りの雪中キャンプとなりました。外は真っ暗でもの凄い吹雪で空が轟々と鳴っています。あとで調べると、この冬一番の猛嵐だったようです。朝、脱出できるようにと、夜中に起きて、自分のクルマで近くのメイン道路までのあいだを「除雪」をしていたら、雪にはまって動けなくなったハプニングはありましたが、そのあとは、暖かいテントで、寝袋の中でぐっすりの夜でした。いたって快適でした。朝、起きると、外はまだ吹雪いています。この吹雪だと、さすがに滝を見にくる人は誰もいないだろうなと思いつつ、早々にテントを撤収します。
滝へ行きたくて、心はワクワクですが、この吹雪の中、行けるだろうかと半分、心配です。道を谷へ下って行きます。昨夜からの猛吹雪で、道はさらに雪に深く埋もれているので、昨日通ったあとはまったくわからなくなっています。この時間もまだ吹雪いているので、誰も歩いた跡はありません。スノーシューをもってきたので、それをつけています。平坦なところは入り口の数十メートルだけで、あとは急勾配の下りです。遊歩道の手すりの頭がかろうじて見えているので、それを目印にだいたいこの辺かなと、滑落しないよう慎重にあたりをつけながら恐る恐る一歩ずつ進みます。昨日、一度、通ったので、かなり見当がつきますが、新雪の中だと、動きが思うようにとれません。それでも途中何度か、引き返そうかな、と思ったくらいです。早く滝に行きたいというはやる気持ちを抑えながら、一歩一歩注意深く進みます。そして20分ぐらいかかったでしょうか。やっと昨日の滝壺のところまで下りてきました。
滝壺のまわりはやはり昨日より雪が深くなっています。ここは誰もいなく、谷間のせいか吹雪の風もほとんどなく、ひっそりとして別世界です。滝とせせらぎの音だけがゆかりを迎えてくれています。コートを脱いで水着になり滝壺に向います。氷瀑は吹雪をかぶって、昨日よりさらに白くなっていました。ネットで調べると夏場は水量が多い滝のようですが、今はほぼ全体が氷瀑になっており、その内側を流れ落ちる水がある程度です。滝壺はというと、氷結してはなく、その水は際のところからせせらぎとなっ下流へ流れ出ています。いたって穏やかな美しい滝壺で、もう、ここはいわば「氷の桃源郷」です。
滝壺の水に入りたいのですが、岩に雪がかぶっていてどこから下りればいいのかわかりません。慎重に岩の間の雪を足でどけます。そしてやっと水の中へ。滝壺の深さはそれほど深くはないですが、滝の水が注いでいるところだけは深くなっています。水は冷たいですが、足でどけた雪の方がもっと冷たかったです。滝の水が注いでいるそばまで行きます。ここからは背が立ちません。昨日よりもさらに滝の水が注ぐ近くまで泳ぎます。水の飛沫がたくさんかかります。もうこの泉はゆかりのものです。時折、強い風が滝の上の林の木々を揺らし、一瞬、雪崩か?と思うぐらいのもの凄い雪煙が上から降ってきます。こうして、昨日と今日で4回ぐらい、泳ぎました。もう少しいたかったです。でも山の天気はかわりやすいですので余力があるうちにと思い、朝日に輝く氷瀑と泉を目にやきつけて、その場をあとにしました。
この冬はほんとうに楽しい経験をいくつもしました。今回はひとり旅でしたが、いっしょに行ってくれたあすかさん、まこちゃんに感謝です。